右の奥歯と左の奥歯、あるいは上下の奥歯など、複数箇所のインプラント治療を提案されたものの、費用面から「とりあえず片方だけやればいいかな」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、インプラント治療は費用がかかるため、一度に複数箇所を治療することに不安を感じるお気持ちは理解できます。しかし、歯科医師が複数箇所の治療を提案するのには、医学的な根拠があります。
一部だけで治療を中断してしまうと、咬合バランスが崩れ、残った歯に過度な負担がかかり、将来的により大きな治療が必要になるリスクがあるからです。
ここでは、複数箇所のインプラント治療を一部だけで終えることのリスクと、バランスを考えた治療計画の重要性についてお伝えします。
Contents
複数箇所のインプラント提案は咬合バランスを守るため
歯科医師が複数箇所のインプラント治療を提案するのは、単に売上のためではありません。患者様の口腔内全体の健康を長期的に守るためです。
歯を失った状態を放置したり、一部だけを治療して終えたりすると、左右や上下の咬合バランスが崩れてしまいます。バランスが崩れた状態が続くと、残っている歯や顎関節に過度な負担がかかり、さらなるトラブルを引き起こす可能性があります。
歯科医師は、精密な検査と診断に基づき、患者様の口腔内全体のバランスを考えた治療計画を立てています。提案された治療計画には、しっかりとした医学的根拠があるのです。
咬合バランスが崩れるとは?
「咬合バランス」とは、上下の歯が噛み合うときの力の配分のことです。健康な状態では、噛む力が左右や上下にバランスよく分散されています。
これは、体全体のバランスと似ています。例えば、体のバランスが崩れて左右どちらかに重心が偏ると、靴の片側だけが極端にすり減ります。そのアンバランスな状態が続くと、腰痛や肩こり、頭痛といった別の部位にまで影響が広がることがあります。
歯のバランスも同じです。複数箇所に歯がない状態で一部だけをインプラントにすると、噛む力が特定の歯や部位に集中してしまいます。
例えば、右の奥歯と左の奥歯の両方を失っているのに、片方だけインプラントにした場合、インプラントを入れた側ばかりで噛むようになり、反対側の歯には十分な力がかからなくなります。あるいは、残っている歯だけに過度な負担がかかることもあります。
このようなアンバランスな状態が長く続くと、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
- 残った歯への過度な負担によるすり減りや削れ
- 歯周病の進行
- 歯の破折や動揺
- 噛み合わせのさらなる悪化
- 顎関節への影響
- 将来的に他の歯も失うリスク
結果として、一部の歯に負担が集中し続け、さらに大きな治療が必要になる悪循環に陥る可能性があるのです。
「費用を抑えたい」気持ちと長期的な視点のバランス
インプラント治療は自由診療のため、費用負担が大きいことは事実です。「まずは片方だけやって様子を見よう」と考えるお気持ちは、よく理解できます。
しかし、一部だけの治療で中断してしまうと、残った歯が過度な負担に耐えられず歯周病が進行したり、破折したりする可能性があります。その場合、その歯の治療や抜歯、さらには追加のインプラント治療が必要になることもあります。
結果的に、時間も費用もさらにかかってしまうのです。目先の費用だけでなく、長期的な視点で治療計画を考えることが、患者様ご自身の健康にとっても、経済的な面でも賢明な選択となります。
北村総合歯科が考える「バランスを重視した治療計画」
北村総合歯科では、患者様一人一人の口腔内の状態を精密に診断し、長期的に安定した状態を維持できる根本的な治療計画をご提案しています。
私たちが大切にしているのは、対症療法ではなく、原因を特定した根本的な改善です。そのため、複数箇所の治療が必要な場合には、左右や上下のバランスを考慮した治療計画を立てています。
治療内容については十分にご説明し、患者様がご理解とご納得をされた上で治療を開始することを大切にしています。費用面でのご不安や疑問についても、遠慮なくご相談ください。
インプラント治療をご検討中の方へ
複数箇所のインプラント治療を提案されている方は、その治療計画には口腔内全体の健康を守るための医学的な理由があることを、ぜひ知っていただきたいと思います。
北村総合歯科では、丁寧なカウンセリングを行い、患者様が安心して治療に臨めるよう配慮しています。インプラント治療についてご不安なことやご質問があれば、まずはお気軽にご相談ください。
※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。
歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。
手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。
インプラント治療に関する費用
| 内容 | メーカー/処置 | 費用(税込) |
|---|---|---|
| 上部構造(人工歯) | ジルコニア/ハイトランス | ¥143,000 |
| ジルコニアステイニング | ¥154,000 | |
| ジルコニアレイヤリング | ¥176,000 | |
| インプラント体(人工歯根) | プラトン | ¥264,000 |
| ネオデント | ¥297,000 | |
| ストローマン | ¥330,000 | |
| 追加処置 | サージカルガイド | ¥66,000 |
| ソケットリフト骨造成(GBR) | ¥55,000/本 | |
| サイナスリフト | ¥110,000 |
インプラント治療に伴う主なリスク・副作用
インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。
- 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
- 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
- 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
- インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
- 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
- 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
- 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間
これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長
1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インプラント講習会のインストラクター
- インプラントメーカー公認インストラクター(プラトンジャパン)
- 日本歯科放射線学会 優良医
- 日本歯科医師会 所属
- 多数の学会発表、インプラント専門誌、学術誌での発表実績あり