かかりつけの先生から「インプラントをした方がいい」と言われて、戸惑っていませんか?
これまで特に不満なく通ってきた歯医者さんなのに、高額な治療をすすめられると「本当に必要なのかな?」と不安になるのは自然なことです。
ここでは、抜歯やインプラントが妥当かどうかを見極めるポイント、他の医院に相談した方がいいケース、そして「先生は利益目的で言っているのでは?」という疑問を解消するための視点について、わかりやすくお話します。
Contents
インプラントをすすめられて感じる3つの不安
インプラントをすすめられたとき、多くの方が共通して抱く不安があります。ここでは代表的な3つを整理してみましょう。
① 本当に抜歯が必要なの?
痛みや腫れがそこまで強くないのに「抜歯」と言われると、「まだ自分の歯でもいいんじゃないか」と思うのは当然です。骨の状態や歯根の破折など、客観的に抜歯が避けられない理由があるのかどうかを見極めることが大切です。
② 他の先生にも相談した方がいい?
かかりつけ医を信頼していても、高額で大きな治療になると「他の先生の意見も聞いてみたい」と考えるのは自然なことです。特に、普段は保険診療を中心に行っていてインプラントを専門にしていない先生の場合、専門的な経験や設備のある医院で意見を聞くことで、より多角的に判断できるようになります。
③ インプラントをすすめるのは、利益目的ではないの?
インプラントは保険が効かない自由診療であり、高額になりがちです。そのため「儲けのためにすすめられているのでは?」という不安を抱くのも自然です。実際には、多くの先生が患者さんの将来を考えて提案していますが、安心のためにも治療内容や費用の根拠をきちんと確認しておきましょう。
今の先生が言っていること、本当に妥当?確認すべき3つのポイント
インプラントの提案が妥当かどうかを見極めるためには、「なぜ抜歯が必要なのか」「他の方法はないのか」「将来どうなるのか」という3つの観点で確認することが大切です。
① 抜歯が必要な理由は?
「骨が痩せてきている」「歯の根が割れている」「炎症が広がっている」など、明確な診断理由があるのかを確認しましょう。根拠が数字や画像(レントゲン・CT)で示されれば、より納得しやすくなります。
② 他の選択肢も説明してくれたか?
抜歯という方法だけでなく、根管治療や歯周病治療など「歯を残すための治療」についても説明があったかどうかを振り返ってみてください。
他の可能性を検討した上で「抜歯が妥当」という結論に至っているのか、それとも最初からインプラントを前提として話が進んでいるのか。この違いはとても大きいポイントです。
③ 将来のことまで考えてくれているのか?
大切なのは、先生が 「今の状態を治すこと」だけでなく「将来のこと」まで考えて抜歯という提案をしているかどうかです。
例えば、歯を残した場合に数年以内に再治療が必要になるのか、それともインプラントにした方が長期的に安定するのか。こうした将来の見通しを踏まえて説明してくれる先生なら、判断の妥当性により納得できますね。
「利益目的では?」という疑問を解消するために
インプラントは自由診療で高額になるため、「先生は儲けのためにすすめているのでは?」と不安に思う方も少なくありません。その気持ちはとても自然なものです。
ただ、同じ歯科医師の立場から言うと、多くの先生は決して利益のためだけにインプラントをすすめているわけではありません。むしろ「この治療が患者さんにとって最適で、将来のためになる」と考えて提案している場合がほとんどです。
もちろん患者さん側からすると、費用の大きさが気になり、不安になるのはよくわかります。だからこそ、先生の言葉をどう受け取るかは信頼関係によって変わると思います。
もしあなたがその先生を長く信頼して通ってきたのであれば、無理にインプラント専門の医院を探すよりも、これまでの経緯や口の中の状態を理解してくれている先生のもとで治療を続けることは大きな安心につながります。
個人的には、長く付き合いがあり、その患者さんの背景や生活習慣まで理解している先生に治療を任せる方が、初めて会う専門医に託すよりも安心できる場面は多いと思います。インプラントは技術だけでなく、その後のケアや信頼関係も大切な治療だからです。
他の医院で意見を聞く価値(セカンドオピニオン)
信頼できる先生に任せるのは安心ですが、もしその先生が普段インプラントを専門にしていない場合には、セカンドオピニオンとしてインプラントに詳しい先生の意見を聞くことも大切です。
専門的な経験や設備のある歯科医師に相談することで、治療の選択肢や将来の見通しについて、より具体的な情報を得られる可能性があります。そうすることで、今の先生の判断に納得できるのか、それとも他の選択肢を検討した方がよいのかを冷静に比較できるでしょう。
納得できる選択をするために
インプラントをすすめられると、「本当に抜歯しないといけないの?」「高額な治療を勧められているけど大丈夫かな?」と、不安になるのは自然なことです。
大切なのは、先生が示してくれる理由や治療の見通しをきちんと理解し、自分の価値観に照らして納得できるかどうか です。
- なぜ抜歯が必要なのか?
- 他の選択肢も考えてくれているのか?
- 今だけでなく将来を見据えた判断なのか?
これらを確認することが、後悔しない選択につながります。
もし今の先生が普段インプラントを専門にしていない場合には、専門性のある先生のセカンドオピニオンを聞いてみるのも一つの安心材料です。逆に、長く通ってきて信頼できる先生であれば、その関係を生かして治療を進めることも大きな価値があります。
インプラントは人生に関わる大きな治療だからこそ、「ここで治療してよかった」と心から思えるように、疑問をそのままにせず、納得できる形で選択することが何より大切です。あなたの未来のために、安心して一歩を踏み出してください。
もし「本当にこれでいいのかな?」という不安が残るようでしたら、当院にもぜひご相談ください。セカンドオピニオンとしてお話をお聞きいただくことも可能です。納得のいく形で治療を選べるように、サポートさせていただきます。
※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。
歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。
手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。
インプラント治療に関する費用
内容 | メーカー/処置 | 費用(税込) |
---|---|---|
上部構造(人工歯) | ジルコニア/ハイトランス | ¥143,000 |
ジルコニアステイニング | ¥154,000 | |
ジルコニアレイヤリング | ¥176,000 | |
インプラント体(人工歯根) | プラトン | ¥264,000 |
ネオデント | ¥297,000 | |
ストローマン | ¥330,000 | |
追加処置 | サージカルガイド | ¥66,000 |
ソケットリフト骨造成(GBR) | ¥55,000/本 | |
サイナスリフト | ¥110,000 |
インプラント治療に伴う主なリスク・副作用
インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。
- 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
- 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
- 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
- インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
- 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
- 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
- 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間
これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長
1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インプラント講習会のインストラクター
- インプラントメーカー公認インストラクター(プラトンジャパン)
- 日本歯科放射線学会 優良医
- 日本歯科医師会 所属
- 多数の学会発表、インプラント専門誌、学術誌での発表実績あり