インプラント治療を検討する際、「骨造成(こつぞうせい)」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。骨造成とは、インプラントを埋め込むための骨の量や厚みが不足している場合に、骨を増やすための治療です。
「骨造成は高齢者の方が受けるもの」と思われがちですが、実は年齢に関係なく、若い方でも骨造成が必要になるケースは少なくありません。今回は、若い方でも骨造成が必要になる理由や、具体的なケースについて解説します。
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骨造成が必要になる理由は「年齢」ではない
インプラント治療において骨造成が必要かどうかは、年齢ではなく「骨の量・質・位置関係」によって決まります。
確かに、加齢とともに骨密度が低下したり、長年の入れ歯使用によって骨が痩せてしまったりすることで、高齢の方に骨造成が必要になるケースは多く見られます。
しかし、若い方であっても以下のような理由で骨が不足している場合があります。
- 生まれつきの骨格による骨の薄さや高さの不足
- 歯周病による骨の吸収
- 上顎洞(じょうがくどう)など解剖学的な構造による制約
このように、骨造成の必要性は「何歳か」ではなく、「骨の状態がどうか」によって判断されるのです。
若い方でも骨造成が必要になるケース
ここからは、若い方でも骨造成が必要になる具体的なケースを見ていきましょう。
上の歯:上顎洞の位置が近い場合
上の奥歯にインプラントを埋め込む際、注意が必要なのが「上顎洞(じょうがくどう)」の存在です。

上顎洞とは、鼻の横にある空洞で、上の奥歯の根の上部に位置しています。この上顎洞が歯の根に近い位置にある方の場合、インプラントを埋め込む際に上顎洞の粘膜を貫通してしまうリスクがあります。
上顎洞の位置は個人差があり、骨格によって生まれつき上顎洞が低い位置にある方もいらっしゃいます。このような場合、年齢に関係なく骨造成が必要になります。
また、上顎洞が近い方には、花粉症や副鼻腔炎で上顎洞に炎症が起きたときに、歯が痛いように感じることがあるという特徴もあります。上の奥歯に痛みを感じても、実際には上顎洞の炎症が原因だったというケースもあるのです。
下の歯:歯周病で骨が吸収されている場合
下の歯にインプラントを入れる場合も、骨造成が必要になることがあります。
特に多いのが、歯周病によって骨が吸収されてしまったケースです。歯がグラグラして抜歯に至った場合、その原因の多くは歯周病による骨の吸収です。歯周病が進行すると、歯を支えているあごの骨が炎症によって溶けてしまい、歯がグラグラするようになります。

抜歯後にインプラントを埋め込もうとしても、すでに骨が吸収されてしまっているため、インプラントをしっかり固定するための骨が足りないというケースがあるのです。
歯周病は若い方でも発症する可能性があり、特に喫煙習慣がある方や口腔ケアが不十分な方は注意が必要です。
生まれつきあごの骨が薄い方
骨の厚みや高さには個人差があり、生まれつきあごの骨が薄い方もいらっしゃいます。
このような骨格的な特徴を持つ方の場合、若くても骨造成が必要になることがあります。骨の厚みが不足していると、インプラントを埋め込んでもしっかりと固定できず、治療の成功率が下がってしまうためです。
骨造成が必要かどうかでお悩みの方はご相談ください
骨造成の必要性は年齢ではなく、骨の量や質、解剖学的な位置関係によって決まります。若い方でも、上顎洞の位置が近い、歯周病で骨が吸収されている、生まれつき骨が薄いなどの理由で骨造成が必要な場合があります。
北村総合歯科では、骨造成にも対応しております。精密な検査によって骨の状態を正確に把握し、お一人お一人に合わせた治療計画をご提案いたします。インプラント治療をご検討中の方、骨の状態が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。
歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。
手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。
インプラント治療に関する費用
| 内容 | メーカー/処置 | 費用(税込) |
|---|---|---|
| 上部構造(人工歯) | ジルコニア/ハイトランス | ¥143,000 |
| ジルコニアステイニング | ¥154,000 | |
| ジルコニアレイヤリング | ¥176,000 | |
| インプラント体(人工歯根) | プラトン | ¥264,000 |
| ネオデント | ¥297,000 | |
| ストローマン | ¥330,000 | |
| 追加処置 | サージカルガイド | ¥66,000 |
| ソケットリフト骨造成(GBR) | ¥55,000/本 | |
| サイナスリフト | ¥110,000 |
インプラント治療に伴う主なリスク・副作用
インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。
- 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
- 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
- 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
- インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
- 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
- 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
- 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間
これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長
1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インプラント講習会のインストラクター
- インプラントメーカー公認インストラクター(プラトンジャパン)
- 日本歯科放射線学会 優良医
- 日本歯科医師会 所属
- 多数の学会発表、インプラント専門誌、学術誌での発表実績あり