いつも通っている歯科医院でインプラントを検討していたけれど、「費用が思った以上に高額だったので、今回は諦めた」。そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際、インプラントが150万円と聞けば驚くのは当然ですし、「自分には無理だ」と思ってしまうのも無理はありません。

しかし、インプラント治療の費用は一律ではなく、「治療方法の選び方」「インプラントの本数や設計」「追加処置の有無」などによって、必要な費用や治療内容は大きく変わることがあります。

ここでは、「費用が高かったから諦める」という選択をする前に、ぜひ知っておいてほしい考え方をお伝えします。
費用を正しく理解することが、納得できる治療選びの第一歩になるかもしれません。

インプラントの費用に差が出る3つの主な要因

「インプラントは高額」という印象が強い一方で、その費用には大きな幅もあります。なぜ価格に違いが出るのかを正しく理解することで、納得感のある選択がしやすくなりますので3つのポイントについてをご紹介します。

① インプラント本数の違い

インプラントの費用は「1本あたりいくら」で計算されるのが基本です。そのため、本数が増えれば当然費用も上がりますが、すべての失った歯に対して1本ずつインプラントを入れる必要があるわけではありません。

たとえば、隣り合った3本の歯を失った場合でも、2本のインプラントで支える「ブリッジ構造」にすることで本数を減らし、費用を抑えられる場合があります。症例や噛み合わせによって適応が異なるため、担当医の提案内容をよく確認することが大切です。

② 追加処置の有無|骨造成やサイナスリフトで費用が変わる

インプラントを埋め込むには、土台となるあごの骨の量と質が十分である必要があります。しかし、骨が少ない・薄いなどの理由で「骨造成」や「上顎洞挙上術(サイナスリフト)」といった追加処置が必要になるケースもあります。

こうした処置は、治療の成功率を高めるために重要ですが、そのぶん費用が上乗せされるため、見積もりが大きく変動する要因になります。カウンセリングやCT検査を通じて、どのような処置が必要かを明確にすることが重要です。

③ 使用する材料・メーカーの違い

インプラントの部品には、多様なメーカー・素材があります。世界的に実績のあるメーカーの製品は信頼性が高く、将来的なメンテナンスにも対応しやすい反面、コストはやや高めです。

また、人工歯に使用される素材(ジルコニア、セラミックなど)によっても、見た目の美しさや耐久性、そして費用に違いが出ます。素材やメーカーの選定は、単に価格だけでなく、長期的な視点から判断することがポイントです。

「高い・安い」ではなく、納得できる治療かどうか

インプラント治療を検討する際、つい「高い・安い」という費用の大小に目が向いてしまいがちです。しかし、重要なのは価格そのものではなく、その内容に「納得できるかどうか」です。

安さを優先して後悔するケースも

「少しでも費用を抑えたい」と思って、説明が十分でないまま契約してしまった結果、治療後にトラブルが起きたというケースもあります。具体的には、必要な検査や追加処置が省略されていたために、インプラントの持ちが悪くなってしまったり、術後のサポートが不十分だったという声も聞かれます。

高額でも安心できるケースもある

一方で、費用が高めであっても、その内訳が明確で、カウンセリングや術後フォローまで丁寧に対応してくれる医院であれば、患者さんは安心して治療に臨むことができます。たとえば、複数の治療プランを提示し、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく説明してくれるような対応があれば、「ここなら任せられる」と思えるのではないでしょうか。

ポイントは「信頼できるかどうか」

インプラント治療は、手術だけでなく、その後のケアやメンテナンスも含めて長い付き合いになります。そのため、技術だけでなく、人として信頼できる先生・医院を選ぶことが何より大切です。

費用はもちろん大事な要素ですが、「納得できる説明をしてくれるか」「治療後もきちんと見てくれるか」といった視点を持つことが、後悔しない治療選びにつながります。

一度の見積もりで諦めないで

「インプラントが○○万円と聞いて、高すぎると思ってやめた」というお声は少なくありません。しかし、そのひとつの見積もりだけで、治療の選択肢をすべて閉じてしまうのはもったいないことです。

歯科医院によって方針も費用も違う

自由診療であるインプラント治療は、医院によって治療方針や使用する材料、設備環境が異なるため、当然ながら費用にも差があります。たとえば、ある医院では骨造成が必須とされたケースが、別の医院では工夫次第で不要となることもあります。

また、同じ3本の欠損でも「インプラントを2本にしてブリッジ構造にする」といった、治療方法の工夫によって費用を抑えられる可能性もあります。

セカンドオピニオンで広がる選択肢

最初の見積もりがすべてではありません。「他の方法はないのか?」「本当にその処置が必要なのか?」と疑問を感じたら、遠慮せずセカンドオピニオンを活用しましょう。治療内容について丁寧に説明してくれる医院に出会えれば、疑問や不安も解消され、納得して進めることができます。

「費用だけ」で判断しないために

インプラント治療は、見た目や噛む力の回復など多くのメリットがある一方で、費用の面でハードルを感じる方が多い治療でもあります。しかし、その費用は治療内容や設計、医院ごとの方針によって大きく変わるものです。

「高いから無理」「他の治療法しかない」と最初からあきらめるのではなく、

  • 何が費用に影響しているのか?
  • 自分にはどのような選択肢があるのか?
  • その治療内容に納得できているか?

という視点で、丁寧に情報を整理することが大切です。

当院では、インプラントが本当に必要かどうかも含めて、患者さまの状態や希望に合った治療法を一緒に考えることを大切にしています。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。

インプラント治療とは

歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。

手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。

インプラント治療に関する費用

内容メーカー/処置費用(税込)
上部構造(人工歯)ジルコニア/ハイトランス¥143,000
ジルコニアステイニング¥154,000
ジルコニアレイヤリング¥176,000
インプラント体(人工歯根)プラトン¥264,000
ネオデント¥297,000
ストローマン¥330,000
追加処置サージカルガイド¥66,000
ソケットリフト骨造成(GBR)¥55,000/本
サイナスリフト¥110,000

インプラント治療に伴う主なリスク・副作用

インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。

  • 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
  • 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
  • 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
  • インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
  • 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
  • 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
  • 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間

これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長

1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。