インプラント治療を検討しているけれど、「本当に大丈夫かな?」「あとで後悔しないかな?」と不安に思っていませんか?
インプラントは、見た目や噛む力をしっかり取り戻せる優れた治療法ですが、一方で治療期間や費用、術中のリスクや治療後の違和感など、事前に知っておきたい注意点もあります。

ここでは、インプラント治療を始める前に知っておくべき「後悔につながりやすいリスク」と、それらを防ぐための歯科医院での取り組みをご紹介します。
治療内容への理解を深め、信頼できる歯科医院を選ぶことで、インプラント治療はより安心で納得のいくものになります。
ぜひ参考にしてみてください。

手術中のリスク|神経や空洞、隣の歯を傷つける可能性

インプラント手術では、歯ぐきを切開してあごの骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込むため、骨の中の構造を正確に把握しておく必要があります。
特に注意が必要なのは、下あごの中を通る「神経」や、上あごの奥にある「鼻の空洞(上顎洞)」、そして隣の健康な歯です。

例えば、下あごでドリルが神経に近づきすぎると、術後にしびれや感覚異常が出ることがあります。上あごでは、骨が薄い場合に器具が空洞に届いてしまい、鼻づまりや違和感などの症状が出ることも。さらに、インプラントを入れる位置や角度が少しでもずれると、隣の歯やその周囲の骨を傷つけてしまう可能性もあります。

こうしたリスクを防ぐために、歯科医院では治療前にCT画像を用いた精密な診断を行い、骨の厚みや神経の位置を正確に確認します。また、手術時には専用のガイド装置を使用して、深さや角度を細かくコントロールし、安全性の高い治療ができるよう努めています。

治療中に起こりやすい不快感やトラブル

インプラント治療は1日で完了するものではなく、手術から歯が入るまでの間に数ヶ月かかることがあります。その間には、「仮歯が合わなくて違和感がある」「食べづらい」といった一時的な不快感を抱えることがあります。

また、手術の直後には、体が治ろうとする過程で腫れや痛みが出ることもあります。通常は数日で落ち着きますが、人によっては思った以上に強い症状を感じることもあるため、事前に心構えをしておくことが大切です。

さらにまれに、インプラントが骨としっかり結合せず、ぐらついたり脱落してしまうケースもあります。こうしたトラブルを避けるには、無理に噛まないよう注意しながら、安静な状態で回復を待つ必要があります。

歯科医院では、治療中も定期的に状態を確認しながら進めていくため、違和感やトラブルが起きた際も早期に対応できるよう備えています。

治療後に「思っていた見た目と違う」と感じることがある

インプラント治療は見た目も自然で美しい仕上がりになることが多い反面、治療後に「歯が長く見える」「周りの歯と形が違う」と感じることがあります。

これは、歯を失った部分の骨や歯ぐきが痩せている場合に起こりやすく、特に前歯では目立ちやすいため注意が必要です。インプラントは歯ぐきの中に埋め込むため、土台となる骨が少ないと、見た目に影響が出やすくなります。

こうした変化をできるだけ防ぐために、歯科医院では治療前に歯ぐきや骨の状態をよく確認し、必要であれば骨や歯ぐきを補う処置を行うこともあります。また、見た目に関するご希望を丁寧にヒアリングしながら、患者さん一人ひとりに合った仕上がりを目指して治療を進めていきます。

インプラントが入るまでの煩わしさがある

インプラント治療は、歯を失ったその日にすぐ本物のような歯が入るわけではありません。インプラントを埋めた後、骨としっかり結合するまで数ヶ月の待機期間が必要です。その間は、仮歯や仮の入れ歯で過ごすことになり、人によっては「噛みにくい」「違和感がある」と感じることもあります。

また、この期間中は通院が複数回必要になったり、仮歯の調整が必要になったりと、手間や不便さを感じる場面もあります。治療部位によっては、見た目が気になったり、発音しづらくなることもあるかもしれません。

こうした煩わしさをできるだけ減らすために、歯科医院では仮歯の形や素材に工夫をしたり、必要に応じて臨時の処置を行ったりして、治療中のストレスを軽減できるよう配慮しています。

思ったより治療期間が長くなることもある

インプラント治療は、1回で終わる治療ではありません。手術の前に必要な検査や準備があり、手術後もインプラントが骨としっかり結びつくまで数ヶ月かかります。さらに、最終的な人工の歯(上部構造)をつけるまでに調整や型取りなどが必要なため、トータルで半年以上かかることもあります。

また、骨が足りない場合には、骨を増やす処置(骨造成)が必要になり、その分だけ治療期間が延びることになります。個人差もあるため、当初の予定よりも時間がかかることも珍しくありません。

治療が長期にわたる場合でも、途中で不安にならないよう、歯科医院では治療の流れを事前にしっかり説明し、各ステップで患者さんの状況に合わせた進め方を心がけています。

高額かつメンテナンスが必要な治療である

インプラント治療は、保険が適用されない自由診療となるため、他の治療法に比べて費用が高くなります。1本あたりの治療費は、手術費・材料費・被せ物代などを含めると、数十万円かかるのが一般的です。さらに、骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに費用が上がることもあります。

また、治療が完了した後も、インプラントを長持ちさせるには定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきが炎症を起こす「インプラント周囲炎」になると、最悪の場合は抜け落ちてしまうこともあります。

歯科医院では、患者さんのリスクに応じた定期検診の間隔やクリーニングの方法をご案内し、インプラントを長く快適に使っていただけるようサポートしています。

インプラントで後悔しないために|医院選びが安心への第一歩

インプラント治療は、見た目や機能性の回復に優れた選択肢ですが、その一方で術中のリスクや治療期間中の不便さ、費用や見た目に関する課題など、注意すべき点もいくつかあります。これらは、治療後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、あらかじめ知っておきたい大切な情報です。

そして、こうしたリスクを最小限に抑えるうえで最も重要なのが「歯科医院選び」です。治療前の診断力、治療計画の精度、使用する機器や設備、そして患者さんとの丁寧なコミュニケーション。どれも、医院ごとの姿勢や技術力に左右されます。

安心して治療を進めるためには、インプラント治療にしっかり対応できる体制が整った歯科医院を選ぶことが何より大切です。不安な点はそのままにせず、納得できるまで相談できる環境で、自分にとって最良の選択をしてください。

※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。

インプラント治療とは

歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。

手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。

インプラント治療に関する費用

内容メーカー/処置費用(税込)
上部構造(人工歯)ジルコニア/ハイトランス¥143,000
ジルコニアステイニング¥154,000
ジルコニアレイヤリング¥176,000
インプラント体(人工歯根)プラトン¥264,000
ネオデント¥297,000
ストローマン¥330,000
追加処置サージカルガイド¥66,000
ソケットリフト骨造成(GBR)¥55,000/本
サイナスリフト¥110,000

インプラント治療に伴う主なリスク・副作用

インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。

  • 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
  • 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
  • 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
  • インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
  • 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
  • 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
  • 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間

これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長

1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。