インプラント治療は、歯を失ってしまった場合の治療法で、自分の歯とほとんど変わらない見た目と機能を取り戻せます。ただ、治療費が比較的高額になるため治療をすることだけでなく、その後のメンテナンスや、万が一のトラブルへの対応も考えておく必要があります。

特に、引越しや出張などで、治療を受けた歯医者さんに通えなくなってしまった場合、保証制度があるかどうかやその内容が、患者さんの安心感に大きく関わります。

インプラント治療を考える際には、治療の技術はもちろんのこと、保証制度の内容やどこまでカバーされるのかをしっかり理解して、信頼できる歯医者さんを選ぶことが大切です。

インプラント治療後の保証制度は2種類

現状、歯科医院でインプラント治療を受けた際の保証制度は主に以下の2つがあります。

歯科医院独自の保証制度

それぞれの歯科医院ごとに独自に設定する保証制度です。保証内容や期間、適用条件なども医院によって異なります。

  • 保証期間
    医院によって異なりますが、一般的には3〜5年程度です。
  • 保証範囲
    インプラント体や上部構造(被せ物)の破損・脱落などが対象となることが多いです。
  • 適用条件
    定期的なメンテナンスの受診や、医院の指示に従うことが求められます。
  • 制限事項
    転居や医院の閉院などにより、保証が受けられなくなる場合があります。

このように、歯科医院独自の保証制度は、治療を受けた医院でのみ適用されることが多く、将来的なライフスタイルの変化に対応しづらい側面があります。

第三者保証制度

もう一つは、歯科医院とは別の第三者機関が提供する保証制度です。

現在、国内で第三者保証制度を提供している代表的な機関としては「ガイドデント」があります。ガイドデントは、インプラント治療に対する10年間の保証を提供していて、全国の認定歯科医療機関で保証を継続できる仕組みを整えています。

  • 保証期間
    インプラント体および上部構造に対して10年間の保証が提供されます。
  • 保証範囲
    インプラント体や上部構造の脱落・破損などが対象となります。
  • 適用条件
    所定の定期メンテナンスの受診が必要です。
  • 対応力
    全国のガイドデント認定歯科医療機関で保証が継続されるため、転居や医院の閉院などにも柔軟に対応できます。
  • 審査基準
    ガイドデント認定歯科医療機関は、治療年数や実績、所属学会、院内設備や医療体制、メンテナンス体制など、90以上の厳しい審査項目をクリアしています。

このように、第三者保証制度は、長期的な保証と広範なサポートを提供し、患者様の安心感を高める制度です。第三者機関の厳しい審査基準によって、歯科医院の認定が決められる点も、歯科医院を選ぶ上での安心材料になりますね。

引っ越し時の保証制度の対応

インプラント治療後の保証制度でもっとも大きな違いは、引っ越し先の歯科医院でも保証が受けられるかどうかではないでしょうか?今の場所にずっと住む予定の方にはあまり関係ないかもしれませんが、転勤や出張などでよく移動する方にとっては、この違いが将来の安心感に大きく関わってきます。

歯科医院独自の保証制度の場合

多くの歯医者さんでは、独自の保証制度を用意していますが、これらの保証は基本的に、治療を受けた歯医者さんでしか使えません。ですから、引っ越しでその歯医者さんに通えなくなると、保証が受けられなくなる可能性があります。また、その歯医者さんが万が一閉院してしまった場合も、保証はなくなってしまいます。

第三者保証制度(ガイドデント)の場合

一方、ガイドデントのインプラント10年保証は、全国にある認定された歯医者さんで保証が続くので、引っ越しした後でも安心して治療を受けられます。引っ越し先で治療が必要になったり、メンテナンスを受けたりする場合でも、ガイドデントの認定を受けている歯医者さんであれば、保証の対象になるんです。

このように、将来的に引っ越す可能性がある方や、長い期間の保証を重視する方には、ガイドデントのような第三者保証制度を利用するのがおすすめです。

保証制度の比較表

項目歯科医院独自の保証制度第三者保証制度
(ガイドデント)
保証期間一般的に3〜5年程度インプラント体および上部構造に対して10年間の保証
保証範囲インプラント体や上部構造の破損・脱落などが対象インプラント体や上部構造の脱落・破損などが対象
適用条件定期的なメンテナンスの受診や医院の指示に従うことが必要所定の定期メンテナンスの受診が必要
引っ越し時の対応治療を受けた医院でのみ有効。転居により保証が受けられなくなる可能性あり全国のガイドデント認定歯科医療機関で保証が継続されるため、転居や医院の閉院などにも柔軟に対応可能
対応力医院が閉院した場合、保証が無効となることがある全国の認定歯科医療機関で保証が継続されるため、安心
審査基準医院によって異なる治療年数や実績、所属学会、院内設備や医療体制、メンテナンス体制など、90以上の厳しい審査項目をクリアした認定歯科医療機関が対応

このように、引っ越しの可能性がある方や、長く保証してほしいという方には、ガイドデントのような第三者保証制度がおすすめです。反対に、今の場所にずっと住む予定の方であれば、歯医者さん独自の保証制度でも十分かもしれませんね。

当院はガイドデント認定歯科医療機関です

当医院は、第三者保証機関であるガイドデントの厳しい審査基準をクリアし、認定歯科医療機関として登録されていますので、インプラント治療を受けられた方は、ガイドデントのインプラント10年保証をご利用いただけます。

また、他の歯医者さんでインプラント治療を受けた後で引っ越しされてきた方も、ガイドデントの保証に入っていれば、当院でその保証を引き継いで、引き続きメンテナンスや再治療を受けていただくことができます。

インプラント治療をお考えの方は、治療を始める前に、ご自身の健康状態やお口の中の状態、治療の計画や費用、そして保証制度の内容などをしっかり確認して、信頼できる歯医者さんを選ぶことがとても大切です。

当院では、患者様お一人おひとりの状況に合わせて、じっくりとご相談させていただき、丁寧な治療計画をご提案していますので、どうぞお気軽にご相談ください。

ガイドデント インプラント10年保証制度(北村総合歯科)

項目内容
保証料(税込)22,000円/インプラント1本
保証期間インプラント埋入日から10年間
保証限度額最大30万円/1本
└ フィクスチャー(人工歯根)最大20万円
└ 上部構造(人工歯)最大10万円

※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。

インプラント治療とは

歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。

手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。

インプラント治療に関する費用

内容メーカー/処置費用(税込)
上部構造(人工歯)ジルコニア/ハイトランス¥143,000
ジルコニアステイニング¥154,000
ジルコニアレイヤリング¥176,000
インプラント体(人工歯根)プラトン¥264,000
ネオデント¥297,000
ストローマン¥330,000
追加処置サージカルガイド¥66,000
ソケットリフト骨造成(GBR)¥55,000/本
サイナスリフト¥110,000

インプラント治療に伴う主なリスク・副作用

インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。

  • 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
  • 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
  • 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
  • インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
  • 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
  • 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
  • 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間

これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長

1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。