ここでは骨造成について詳しくご紹介させていただきます。
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骨造成とは骨を増やす手術のこと
骨造成(こつぞうせい)というのは骨の幅や厚みを増やす手術のことを言います。
インプラント治療をしたいけれど、あごの骨が足りないという方の骨の再生治療として行います。
骨造成では、人工骨や自分の骨を細かく砕いたものを骨の足りない部分に補填し、人工骨などが少しずつ吸収されて新しい骨と置き換わる「骨の代謝」を利用することで骨が再生されます。
ケースにもよりますが、骨造成の手術から再生までには大体3〜6ヶ月くらいの期間がかかります。
骨を造成するためには、骨補填材などをあごの骨の中に入れていく必要があるのですが、そのアプローチ方法として代表的なものが次の2つです。
サイナスリフト(骨の高さが5ミリ以下の場合)

1つ目はサイナスリフトと言われるものです。
サイナスリフトは、歯茎の側面を切開して骨を削り、歯茎の側面から補填材などを入れていくものです。
上あご骨には「上顎洞(じょうがくどう)」という空間があります。
上の歯をインプラントにする際は、上顎洞に骨補填材などを入れて骨の厚みをつけます。
上のイラストを見ていただくとお分かりのように、サイナスリフトでは歯茎を大きく切開しなければいけないため、患者様の負担が大きく、治療期間も長くなる傾向があります。
これは高さが5ミリ以下の骨が薄い患者様の場合に必要な手術なのですが、もしも6ミリ以上の高さがある場合には、より負担が少ないソケットリフトという方法があります。
ソケットリフト(骨の高さが6ミリ以上の場合)

ソケットリフトでは、インプラントを埋め込む場所と同じところにドリルで穴を開け、そこから骨補填材を入れます。
サイナスリフトのように歯茎を大きく切開する必要がなく、傷口が小さくて済み、治療期間も一般的に4ヶ月ほどで済みます。
このようにソケットリフトには、小さな切開でも処置が可能というメリットはありますが、一方で骨の高さが6ミリ以上という条件があるため、すべての患者様に採用することができませんでした。
そこで、「痛みの少ない治療」をコンセプトにしている当院では、さらに骨の高さが1ミリでも処置が可能なオステオプッシャーという器具を使ったソケットリフトを採用しています。
オステオプッシャーを使ったソケットリフト

オステオプッシャーというのは、骨造成を得意とする水口インプラントセンターの理事長とプラトンジャパン(メーカー)が、共同開発した特許取得済みの器具です。
この器具は、従来のソケットリフトのように骨をカンカンと叩いて削る方法ではなく、器具を回転させる力によって骨を削るため、患者様の負担がより少なく、より痛みが少ない、より安全で、短い時間での手術が可能になります。
あごの骨の高さが1ミリの患者様でも処置が可能なので、従来であれば大きな切開が必要だった方でも、この方法によって小さな切開で骨造成をすることが可能になります。
骨造成の費用
骨造成の費用は、以下の通りです。
※骨造成は自由診療になります。
骨造成は外科手術です
骨造成は、インプラント治療を行っているすべての医院ができるというわけではありません。
対応していない医院ではインプラントができないと診断される場合もあります。
骨造成は外科手術と同じですので、優れた先生の元で長い期間、勉強と経験を重ねた実績豊富なドクターに処置してもらうのがおすすめです。
私の場合は、骨造成を得意とする水口インプラントセンターで骨造成を学び、現在ではプラトンジャパンの公認インストラクターとして歯科医師の先生方へのアドバイスもさせていただくようにもなりました。
他の医院でインプラントを断られてしまった方も、ぜひ一度、北村総合歯科までご相談ください。
※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。
歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。
手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。
インプラント治療に関する費用
内容 | メーカー/処置 | 費用(税込) |
---|---|---|
上部構造(人工歯) | ジルコニア/ハイトランス | ¥143,000 |
ジルコニアステイニング | ¥154,000 | |
ジルコニアレイヤリング | ¥176,000 | |
インプラント体(人工歯根) | プラトン | ¥264,000 |
ネオデント | ¥297,000 | |
ストローマン | ¥330,000 | |
追加処置 | サージカルガイド | ¥66,000 |
ソケットリフト骨造成(GBR) | ¥55,000/本 | |
サイナスリフト | ¥110,000 |
インプラント治療に伴う主なリスク・副作用
インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用が伴う可能性があります。
- 外科手術に伴うリスク
手術後に痛み、腫れ、出血、内出血、感染症などが生じることがあります。 - 神経や血管の損傷
下顎のインプラント手術では、下歯槽神経や血管を損傷するリスクがあり、知覚異常や麻痺、大量出血を引き起こす可能性があります。 - 上顎洞への影響
上顎にインプラントを埋入する際、上顎洞を損傷するリスクがあり、蓄膿症などの副作用が生じる可能性があります。 - インプラントの不適合
インプラントが骨と結合しない場合、再手術やインプラントの除去が必要となることがあります。 - 全身疾患との関連
糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患を有する方は、治療のリスクが高まる可能性があります。 - インプラント周囲炎
術後の口腔衛生が不十分な場合、インプラント周囲の組織に炎症が生じ、最悪の場合インプラントが脱落することがあります。 - その他のリスク
食べ物が詰まりやすくなる、噛む感覚が自分の歯と異なる、治療費が高額で治療期間が比較的長いなどの点が挙げられます。
これらのリスクや副作用について十分にご理解いただいた上で、インプラント治療を検討される際は、治療実績が豊富で、丁寧なカウンセリングやアフターケアを提供している歯科医院を選ぶことが重要です。
院長プロフィール

北村 英二(きたむら えいじ)
当院は、インプラント治療をはじめとする口腔外科分野において、豊富な臨床経験と専門知識を持っています。患者様一人ひとりの状態やご要望に応じた治療計画を提案し、痛みの軽減に配慮した治療を心がけています。
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インプラント講習会のインストラクター
- インプラントメーカー公認インストラクター(プラトンジャパン)
- 日本歯科放射線学会 優良医
- 日本歯科医師会 所属
- 多数の学会発表、インプラント専門誌、学術誌での発表実績あり
- 1998年 日本大学松戸歯学部 卒業
日本大学大学院松戸歯学研究科入学 口腔外科Ⅰ - 2000年 University Of North Carolina Dental Research Center Collagen Biochemistry 留学
- 2002年 日本大学松戸歯学部顎顔面外科学 助手
- 2006年 医療法人藤慈会 藤井病院 歯科・口腔外科 部長
- 2015年 医療法人育進会 水口インプラントセンター新宿 院長
- 2021年 北村総合歯科 開業 現在に至る