インプラントはあごの骨に、歯の根っこの代わりとなるフィクスチャーを埋め込み、固定することで、本物の歯のように使用することができる人工の歯です。

そのため、その前提として必要となるのが土台としてインプラントをしっかりと支えてくれるあごの骨です。

ただし、多くの場合、歯周病や合わない入れ歯を長年使用したことなどにより、あごの骨がやせてしまい、インプラントがしっかりと固定できなくなってしまっているケースも少なくありません。

そんなときには、インプラント治療と合わせて骨造成(こつぞうせい)を行います。

一般的な骨造成法は次の2つです。

1. ラテラルアプローチ(骨の厚みが5mm未満の場合)

1つ目は、ラテラルアプローチと言われる方法です。「サイナスリフト」と言われることもあります。

ラテラルとは、「側面」という意味で、文字通り歯茎の側面を切開し、骨を削って上顎洞と言われる空洞に骨形成を促す材料(骨補填材)を入れていきます。

この方法は、骨の厚みが5ミリに満たないかなり痩せてしまっている場合に用いられます。

ラテラルアプローチは、歯茎の側面を大きく切開しなければいけないため、患者様への負担が大きく、手術時間・治療期間ともに長くなってしまう手術です。

2. クレスタルアプローチ(骨の厚みが6mm以上)

もう一つの方法が、骨の厚みが6ミリ以上の場合に可能なクレスタルアプローチと言われる方法です。「ソケットリフト」とも言われます。

クレスタルアプローチでは、歯肉の頂上(歯槽頂:しそうちょう)から器具を使って骨を叩いて押し上げ、骨補填材を入れます。

この方法はラテラルアプローチと比べて、少ない切開で済みますが、骨の厚みが6ミリ以上と条件があるため、すべての患者様にできるわけではありません。

また、ハンマーの様な器具で骨をゴンゴンと叩いて押し上げる方法なので、不安を感じられる患者様もいらっしゃいます。

そこで当医院では、ラテラルアプローチ、クレスタルアプローチそれぞれのデメリットを取り除いた新しいクレスタルアプローチを導入しています。

北村総合歯科のクレスタルアプローチ

これは私が以前、勤めていた新宿の水口インプラントセンターの理事長が考案し、プラトンジャパン(メーカー)と開発した特許取得済みの器具です。

この器具を用いた新しいクレスタルアプローチでは、本来、大きな手術となってしまう骨の薄い患者様でも、比較的少ない切開での処置ができ、従来のように骨を叩いて押し上げる必要がないため、患者様への負担も少ないです。

水口インプラントセンターは骨造成が得意な医院ですので、私自身この医院で骨造成を学び、現在ではプラトンジャパンの公認インストラクターとしてインプラントをする歯科医師の先生方へのアドバイスもさせていただくようになりました。

骨が少ないことが原因でインプラントができずに悩まれている方がいらっしゃいましたら、お口の中や骨の状況を詳しく診断させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。

インプラント治療とは

歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。

手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。

インプラント治療に関する費用

内容メーカー/処置費用(税込)
上部構造(人工歯)ジルコニア/ハイトランス¥143,000
ジルコニアステイニング¥154,000
ジルコニアレイヤリング¥176,000
インプラント体(人工歯根)プラトン¥264,000
ネオデント¥297,000
ストローマン¥330,000
追加処置サージカルガイド¥66,000
ソケットリフト骨造成(GBR)¥55,000/本
サイナスリフト¥110,000

インプラント治療に伴う主なリスク・副作用

インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。

  • 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
  • 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
  • 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
  • インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
  • 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
  • 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
  • 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間

これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長

1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。