インプラントの治療は骨を作る処置(骨造成)が必要な場合は、全体で1年くらいの治療期間がかかります。

この期間中、特に生活に制限はありませんと言われている歯医者さんもありますが、より安全に治療を進めるためには多少の生活制限が必要になります。

治療が予定通りに進むかどうかは、患者様の心がけにもかかっているので、骨造成やインプラント治療をしているときに気をつけていただきたいことについてご紹介します。

インプラント治療や骨造成の治療期間に気をつけていただきたいこと

お口の中を清潔に保ちましょう

お口の中が清潔でないとそこが感染源になってしまい手術したところに炎症が起きたり、化膿してしまうことがあります。

手術をした後は、化膿止めを処方していますが、治療期間中は特にお口の中を清潔に保つように心がけましょう。

手術部位は触らない・ものを噛まない

骨造成をした部位というのは骨折した場所と同じ状態です。

腕を骨折した場合はギブスで固定して触らないのと同じように、骨造成の手術をした後は、手術部位を決して触らないようにしてください。

インプラント治療の場合でも、手術をした後は手術部位は触らない・ものを噛まないことが大切です。

最初のうちは歯磨きをするときも、歯ブラシが手術部位には当たらないように気をつけたり、強いうがいを控えてください。

とにかく手術部位は触らない・負担をかけないことが一番大切です。

食事制限が出る場合もあります

骨造成では、骨を作る薬をあごの骨に入れるのですが、食事などで口を動かしたときに手術をしたところが常に動いてしまうと、身体が薬を異物として認識してしまい、骨が造られなくなってしまうことがあります。

インプラントも同様に骨とうまくくっつかなくなってしまうことがあるので、食事の際に手術部位が当たったり、負担がかかるような場合には食事を制限をさせていただく場合があります。

仮歯に負担をかけないことも大切

インプラントの他に治療している歯がある場合、仮歯を入れるケースがあります。

手術部位ではものを噛むことはできないため、仮歯で頻繁にものを噛むことになるのですが、その場合でも固いものは控えるようにしてください。

仮歯には天然の歯のような強度がないため、強い力で噛んだり大きな負担をかけると仮歯が取れてしまう原因となります。

手術したあとは安静に過ごすことが治療の近道

インプラントの治療期間中は、不便な思いをされてしまうことも多いかもしれません。

でも、治療が終わり食事を楽しめるようになるまでの少しの辛抱です。

手術部位は触らない・噛まないなど、気をつけていただくことをしっかり守り、スムーズに治療が進むように心がけましょう。

※医療広告ガイドラインに基づき、自由診療に関する費用および治療に伴うリスク・副作用等の情報を以下に記載しております。

インプラント治療とは

歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨に固定されるため、天然歯に近い噛み心地や見た目を再現できるのが特徴です。

手術によるインプラント体の埋入後、骨と結合するまで数か月間の治癒期間を経て、上部構造(人工歯)を取り付けます。

インプラント治療に関する費用

内容メーカー/処置費用(税込)
上部構造(人工歯)ジルコニア/ハイトランス¥143,000
ジルコニアステイニング¥154,000
ジルコニアレイヤリング¥176,000
インプラント体(人工歯根)プラトン¥264,000
ネオデント¥297,000
ストローマン¥330,000
追加処置サージカルガイド¥66,000
ソケットリフト骨造成(GBR)¥55,000/本
サイナスリフト¥110,000

インプラント治療に伴う主なリスク・副作用

インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復するための効果的な方法ですが、以下のようなリスクや副作用を伴う可能性があります。

  • 術後の痛み・腫れ・出血・内出血・感染症
  • 神経や血管の損傷による知覚異常・麻痺・大量出血
  • 上顎洞の損傷による蓄膿症などの副作用
  • インプラントが骨と結合せず再手術や除去が必要になる場合
  • 糖尿病や骨粗鬆症など全身疾患によるリスク増加
  • 口腔衛生不良によるインプラント周囲炎と脱落のリスク
  • 食べ物の詰まりやすさ・噛み心地の違和感・高額な費用・長い治療期間

これらのリスクをできる限り回避し、安心してインプラント治療を受けていただくためには、経験と実績のある歯科医院を選ぶことが重要です。

北村 英二(きたむら えいじ)
歯科医師/北村総合歯科 院長

1998年、日本大学松戸歯学部卒業。藤井病院歯科・口腔外科部長、水口歯科クリニック新宿院長を経て、2021年に「北村総合歯科」を開業。
「歯科が苦手な方にも安心して通ってもらえる医院づくり」を理念とし、痛みに配慮した丁寧な診療と患者との信頼関係を大切にしている。診療方針の柱は、再治療のリスクをできる限り抑えた“根本的な治療”と、できるだけ歯を削らず・抜かずに「自分の歯を守る」ための医療提供。口腔外科での豊富な臨床経験を活かし、短期的な対処に終始しない長期的な視点での治療を重視している。